(おまけ)それでなにが解明できるのか
世界の仕組みとかはわかったけどそれでゲームのどういうところがわかるの?
ということについて、書ききれなかった部分を説明します。
より具体的な話になるのでネタバレ注意です。
・可能性とは
簡単に言うと「あやふやさ」とか「わけわからなさ」ということです。
つまり「可能性が高い」というのは情報が少ないのでよくわからない、と思われている存在です。
情報が少ない=よくわからない=可能性が高い
ということが言えます。
こういう存在は何をするかわからない(と思われている)ので、本当に何をするかわかりません。
また、広い物理域に存在できるため平気で物理法則を無視したり歴史情報をねじ曲げたりします。
こういう人間は往々にして理解不能な人間、すなわち「バカ」と呼ばれます。
ガンプ=オーマが「バカの色」というのもあながち間違いではないと思われます。
・ゆめとは
「あしきゆめ」や「よきゆめ」の「ゆめ」も可能性の高い状態の存在を指します。
よくわからない存在であるが故に人々の畏怖の対象になるわけです。そしてその能力も。
「ゆめ」は自我に乏しく同調能力も高いので周囲の影響を受けやすくなります。
つまりあまりにも可能性が高すぎると自分の存在する世界に飲み込まれることになります。
ですので人間を罰する「悪しき夢」やそれから人間を守る「良き夢」になってしまうのです。
他にも人間の深層意識に潜む色々な感情を体現する存在へと変化していきます。
また、幻獣=あしきゆめ、という認識が強いようですが、よきゆめとなる幻獣も多く存在します。
例えばウォータードラゴン、猫神の王、イルカやシャチ、エンジェルなど。
Return to Gunparade には数多くの良き幻獣達が人類の味方になっています。
・決戦存在、絢爛舞踏とは
人類の決戦存在は「よきゆめ」です。
「あしきゆめ」に苦しめられる人類を救う「最後の存在」というわけです。
決戦存在は世界の中でのみ最強であればいいのですが、中には世界外の存在、
などというものもでてきます。そうなると世界外にも対応できる存在が必要です。
それがアラダ、と呼ばれる絢爛舞踏です。神に近いまでの高い可能性を持ちます。
その能力は周知の通りで世界の運航にすら影響を与えるほどです。
彼らは7つの世界を飛び回りながら己の使命を果たしていきます。
ちなみに他の世界に渡っていない存在を「地べたすり」というそうです。
ただ、しかしながら、実は絢爛舞踏をも超える存在があります。
・かのもの、アルスマグナとは
かのもの、は絢爛舞踏よりもさらに可能性の高い状態です。
人にはもう「存在する」という情報程度しか認識できません。それほど情報がないのです。
アルスマグナはそのかのものを目覚めさせ、世界の可能性を上昇させようとするものです。
その結果、第4世界の人類はオードからスルナカン、スキカへと変貌していきます。
つまりオードからかのものが情報を吸い取り、最終的にはスキカ化させることになりました。
かのものを封印、開放するのには「精霊回路」が使用されていたと考えられます。
「精霊回路」は同調のための技術です。封印の際には同調が低くなるよう操作し、
覚醒させる際には同調を強くできるように操作すればうまく情報量を操作できるわけです。
また、第4世界のアルスマグナにはさらなる目的がありました。第5世界への侵攻です。
情報を少なくすることで第4世界の存在できる物理領域を広げ、
第5世界にワールドクロスさせることがアルスマグナのもう一つの目的だったのです。
そして幻獣や幻獣共生派として戦闘を繰り広げたというのが第5世界の幻獣戦争です。
・ヤオトと黒い月について
もともと第5世界は情報の多い世界でした。
第5世界人出身者が第4世界でオードとなっていたことからもそれが窺えます。
しかし、アルスマグナの影響で第5世界も情報の少ない世界へと変貌していきます。
これがヤオトと呼ばれる現象で、世界はファンタジーな概念に支配されていきます。
クローンの世代交代の度に尋常でない能力が付加されていったのもその影響です。
第7世代に至っては、もうヒトとすら呼べなくなっています。
ヤオトの効果は黒い月(かのもの)が存在し続ける限り起こります。
かのものはほぼ全ての物理域に存在するため、黒い月は全ての世界にあります。
ただ、黒い月は情報密集地帯の近くに存在している場合のみ情報を引き込むので
黒い月が遠くに存在する(少なくとも月より向こう)場合はそれほど脅威ではありません。
しかしながら間接的にも影響は受けるため、やはりヤオトは進んでいるのです。
・第6世界群について
第6世界はかなり情報エネルギー密度の高い世界のようです。
おそらく何者かが「かのもの」対策のために情報エネルギーを溜め込んだようです。
そのために第6世界を構成していた世界子は狭い範囲の軌道しかとれなくなり、
ワールドクロスできずに狭い世界を数多く構築するようになりました。
第6世界の状態を解消したいセプテントリオンは出来うる限りの手段を用いて
第6世界の可能性を向上させようとしたようです。それが式神の城1の事件です。
余談ですが、こういった情報エネルギーの高い軌道を「外側の軌道」、
低い軌道を「内側の軌道」と呼んでいるようです。
例えば、第3世界はかなり内側を廻っているようです。
・セントラルと世界外品について
セントラルワールドタイムゲートの仕組みは前に解説したとおりです。
これを用いれば物質が世界の壁を超えることが可能になります。
タライだろうがヤカンだろうがどんなものでも持ってこれます。
もともと、セントラルはそういう使い方をするものです。
聖銃や希望号もヤカンのように持ち運ぶことができます。
こういうモノをまとめて【世界外品】と呼びます。
ちなみにヒト型の兵器が他の世界でも動くのは「よくわからないけど動きそうだ」と
みんな思うからです。アニメのロボットが作りが無茶でも動きそうなのと同じです。
また、世界外品は往々にして NEP 機能を持っているようです。
・NEP 機能とは
Null Erinco gate point Pursuer すなわち非エリンコゲート追跡機は
非エリンコ点を持つ存在に情報をぶつけることで対象を世界外に弾き飛ばすことができます。
非エリンコ点とは可能性が高く、物理域に広く存在できる存在がもつ Null ゲートです。
例えばあまりに可能性が高く、複数の世界に存在できる情報子の場合、
その世界間にワールドタイムゲートが存在することはできません。これが Null ゲートです。
イイコ=ナルイイコゲートもその範疇に入ります。
その情報子に情報エネルギーをぶつけるとその情報子の存在できる物理域がせばまり、
結果、本来の軌道周辺にしか存在できなくなります。
第4世界から来た幻獣などは本来の第4世界の軌道周辺から動けなくなるので、
第5世界から消えたようにみえるわけです。
・歴史の改変について
この世界観において(数少ない例外を除いて)過去は変えられません。
ただし歴史は変えられます。歴史というのは現在存在する情報だからです。
全ての歴史は現代史である、という言葉があるように歴史は現在のありようで
いくらでも変化させることができます。もちろん歴史も情報ですから
情報が多ければ多いほどそれを覆したりするには手間がかかります。
そういう歴史の書き換えを「歴史の改変」といいます。
WTG などで情報が移動したり、なんらかの情報操作を行うとその改変が起こります。
今までなかったものがさも昔から存在していたかのように振る舞い、
存在していたものが皆の記憶の中から忘れ去られるというのはそういうことなのです。
・精霊機導弾事件について
繰り返す部分が多いですが、精霊機導弾事件についてまとめ。
多世界企業、セプテントリオンは第4世界と第5世界を接触させるために、
ベルカインに介入、アルスマグナを発動させようとする。結果はご存知のとおり。
アルスマグナは発動し、第4世界はよりあやふやな軌道をとるようになります。
「ゆめ」の段階まで可能性を高めた第4世界人は第5世界へ侵攻を開始します。
・ガンパレード事件について
幻獣戦争の勃発。そしてガンパレード事件が起こります。
セプテントリオンは第4世界の可能性である「幻獣」を送り込み、
さらには「黒い月」をも利用し、巨大な可能性「竜」を育成しようとします。
しかし、その過程でフットワーカーGS、すなわち A はセプテントリオンを裏切り、
第6、第7世界へと渡ります。そして密かに熊本の青いロゴの会社に介入、
さらに OVERS を用いて第5世界の5121部隊にも介入を行います。
5121部隊には特に可能性の高い存在が集められました。ダメ集団です。
特筆すべきはシオネ=アラダのクローンであり高い同調技能を持つ「東原ののみ」です。
彼女はブルーヘキサ、年齢固定型、そして父親譲りの言動と強い可能性を持っています。
そしてそれらの中心にいるのが速水厚志。出生も謎なら経歴も謎と可能性の固まりです。
第7世界では精霊機導弾およびガンパレードマーチというゲームを発売。
世界の謎という題目の下、ガンパレードマーチ 23 が開始されます。
インターネットを用いて同調を広げ日本全域の情報エントロピーを高めるのが目的です。
その影響を以て A は第3世界を経由して第5世界に移動、速水に介入します。
また、第6世界に士翼号の可能性を高めた、希望号が出現。
セントラルワールドタイムゲートも開き世界内外からの影響を受けて
速水の可能性は「よきゆめ」にまで高まります。
そして精霊の力(NEP)を用いて狩谷に寄生する聖銃を世界外に弾き飛ばし、
狩谷が人類に絶望しない歴史を作り上げます。全肯定の完了です。
以降もセプテントリオンの介入は続きますが協力者の存在もあり全て撃破します。
そしてその戦いが神話のレヴェルにまで達したとき、第5世界からの情報流出は止まり、
他の世界が介入を行うことも、第5世界のことを知る術もなくなります。
・式神の城事件について
第5世界閉鎖により状況が見えなくなったセプテントリオンは第6世界に介入することで
第5世界へのゲートを開く作戦を決行します。可能性の高い人物を集め、
それらを戦わせることで第5世界より可能性を高めて再び情報を流れさせようとしたのです。
この目論見は成功し、コータローワールドタイムゲートが出現します。
また、セプテントリオンは第6物理域に存在する「かのものの遺跡」の発見が目的でした。
しかし、軌道の確定した第6世界群では可能性の固まりであるかのものの遺跡と
接触することは不可能です。そこで可能性の増加を計画したというわけです。
そして「かのものの遺跡」たるラーウ要塞が出現したのですが、
セプテントリオンはコータロー WTG 出現の折りにアームワーカーが排除されたため、
(それとRSの工作のため)介入には一歩及ばずという結果に。
そもそもラーウ要塞は可能性の強まった玖珂光太郎に呼応する形で出現しています。
それは神の消えつつある世界(可能性の無くなりつつある世界)を憂いた阿による
大いなる魔術の結果であったと言えます。同じく強い可能性を持つに至った兄、晋太郎と
戦わせることでどちらかに更なる可能性を与え、神々の復権を狙おうとしたのです。
しかしながら結果として巨大な可能性は「絢爛舞踏ザサエさん」に委ねられ、
彼女は他の世界に旅立ちます。そして光太郎はそれを追うことに。
・セプテントリオンの目的
これらのセプテントリオンの行動をみていると彼らの目的は可能性の向上にあるようです。
セプテントリオンの本拠地は第7世界ということらしいので、情報量はかなり多いのです。
それを少なくすることでなにかを成し遂げようとしているのかもしれません。
これはアームと呼ばれる世界及び空間移動のシステムを再び利用可能にするためだと思われます。
アーム移動は恒星間を時差0で繋ぐ長距離移動可能なシステムなのです。
セプテントリオンの第一目標としては故郷への帰還というものがあります。
しかしながら現在それは成っておらず、それを成し遂げるためにアームが必要なのです。
そして恐らくそのアームというのはセントラルによる物理移動を指しているのではないでしょうか。
セントラルは時差0で世界を繋ぐので惑星の運航、宇宙の膨張などを加味すると
全く別の地域に接続されることになるのです。それを利用したのがアームだと推測されます。
アームによる接続地の調整のためセプテントリオンはさらなる介入を続けることになるでしょう。
もう一つ予測できるのは、第7世界の可能性を高め、存在できる物理域を広げることで
第4世界のように他の世界に(大規模に)干渉しようということが挙げられます。
思い浮かぶのは第3世界です。第3世界は中央世界とも呼ばれる大きな力を持った世界です。
士魂号も対第3世界用に試験された機体だという記述も見受けられます。
セプテントリオンは将来、第3世界と対峙するつもりなのではないでしょうか。
・総括
かれこれ2回目ぐらいの修正です。
それでもまだまだ判らないことだらけです。適当な予測も多いので軽く流して下さい。
確証に欠ける部分がかなりを占めているのでなかなか断言できないのが辛い。
そこが芝村の思うツボ、かと思われます。
なわけでこのメモが正しかろうが間違っていようが謎ゲームはまだまだ続きます。
正直自分が駄目人間であるうちに終わって欲しいものですが。
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芝村的世界観の考察メモ 了
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