≪光速度モデル≫

・光速度

・質量不変
・縮む世界

・光速度モデルにおける時差
・過去移動とループ
・時間旅行の手引き
・世界閉鎖

・WTGの光(光速度モデル編)


・光速度

光速度とは光の速さのことです。
一般的には【光速度不変の法則】があり光の速さは一定であるとされています。

これが、もし、変化することになったら、
というSF的な発想から生まれたのが光速度モデルです。
無名世界観ではそうやって世界ごとに光速度が異なっているそうです。

言うなれば光速度不変の法則に従ったモデルが重力モデルであり、
それに反したモデルが光速度モデルということになります。
これらは同一の現象を逆に取り扱ったコインの裏表のような関係にあります。

ちなみに、こういった光を扱った世界モデルはあちこちで言及されてきました。
これから書く内容にはそれらを参考にしたものも多く含まれます。
深く感謝すると共にここに明記しておきます。


・質量不変

第6世界は3000もの世界群に分裂しました。
すなわち、第6世界の持つエネルギーも3000に分かれてしまったわけです。
しかしながら分裂後を見ても、とても3000分の1になったようには見えません。

これには光速度の変化に伴う奇妙な現象を使ったトリックがあります。
エネルギーの減ってしまった世界の光速度を下げると再びエネルギーが増えてしまいます。
なぜこんなことになるのかというと、光はエネルギーの度量衡の役目を果たしているからです。

卑近な例を出すと大きなコップ1杯と小さなコップ1杯で水を汲むとどうなるかという話です。
確かに大きなコップの方が多くの水を汲むことができますがそれでもコップ1杯であり、
小さなもので汲んだ水もコップ1杯なわけです。

つまり光速度はその「コップ1杯」に相当するものなのです。
これを調整する事でエネルギー量を不変に(見せる事が)できるわけです。
ただし、このマジックが通用するのはその光速度が通用する世界のみです。
つまり別の世界から見ればまた光速度も異なるので違うエネルギー量に見えます。

[ 光速度変化による質量のごまかし ]

無名世界観の全ての世界において実際は異なるエネルギー量であるにも関わらず、
全て等しい質量を持っているように見えるのはこういったトリックが用いられているためです。


・縮む世界

ここで気になるのが光速度がそんなに頻繁に変化したらまずいのではないか、ということです。
フィクションはどうあれ、光速度不変の法則は我々の住む第7世界では常識です。
光速度、秒速約30万kmの数値が変わってしまうとやはり色々と問題が出てくるでしょう。

しかしながら、我々の世界の光速度は常に秒速約30万kmです(屈折による減速はありますが)。
ここにもまた、光速度変化のトリックが隠されています。

理屈は質量不変のシステムと同じです。つまりその分距離も縮まったわけです。
それに合わせて光速度が下がり、距離も変わっていないように見えるという仕組みです。
世界の中にいる限り、質量や距離、時間、光速度に関してその変化に気付く事はありません。

[ 光速度変化による距離のごまかし ]

ただし、繰り返しになりますが、それはその光速度が通用する世界のみです。
すなわち、世界を移動するなどすればその変化を体感できるはずです。
また、WTGが異なる地域を繋いでしまうのはそのスケール差が原因になります。


・光速度モデルにおける時差

世界によって光の速さが異なるという事は、WTGの光もその影響を受けるという事です。
簡単にいうと、光速度の遅い世界からの光は到達するのに比較的時間がかかり、
速い世界からの光はやはり比較的速やかに別の世界に到達できます。

これが世界の間に時差を作ります。
通常光速度は常に等しいわけですからその状態が最も時差の少ない状態です。
光速度が遅い場合、到達に時間がかかり時差が大きくなります。
同一存在がかなり時間を隔てて存在しているのは光速度がそれだけ遅いせいです。

しかしながら速すぎてもまた、タイムラグは大きくなります。
通常より光が速く到達するために過去に向かって時差ができてしまうのです。
この場合も同一存在が時間を隔てて存在してしまいます。

[ WTGによる光通信 ]

逆に、このシステムを使えば到着できる時代を上手くコントロールする事ができます。
風を渡る者達はそうやって世界と時間を旅しているわけです。

また、光速度モデルにおいても世界の時間速度差による累積時差は発生します。
このあたりは重力モデルと同じなのでそちらを参考にしてください。


・過去移動とループ

さらに光速度を上げていくとより過去に向かって時差ができていきます。
そしてとうとう出発時間よりも前の時間に進んでいくようになります。
ここからが過去移動の本領発揮となる部分です。

WTGの光は情報子(=リューン)が出しています。
このように過去に飛び出す光を放つ情報子はそれ自身光速を超えています。
実在はともかく、光速を超える粒子のことを一般的には【タキオン】と呼称します。

[ タキオンを用いた光通信 ]

タキオン化した情報子は過去に向かって光を飛ばします。
そしてなんらかの方法で(セントラルの時差0移動などで)元の世界に帰ってきた場合、
それは主観的な過去を移動したことになります。純粋な意味でのタイムトラベルです。

ただし、WTGを使用しているので厳密には自分の過去ではありません。
そのことがギリギリの範囲で因果律を保証しています。
ただし、移動前と移動後では歴史はどうやっても変わってしまいます。
以前の歴史は無かった事にされ、新しい歴史が構築されるわけです。

これが【ループ】と呼ばれる現象です。
過去を根底から引っくり返す、ある意味恐ろしいシステムです。
基本的に我々【地べたすり】にはこれに抗う術がありません。


・時間旅行の手引き

少々ややこしくなったのでまとめてみます。
基本的に自分の世界の中では光速度は一定で変化する事はありません。
しかしながら7つの世界全体をみてみると世界によって光速度はまちまちです。
他の世界と比べる事で初めて自分の世界の速度変化がわかるわけです。

次に、それを利用して時間旅行を行います。
まず、自世界と他世界の光速度の差がどの位あるのか見極める必要があります。
ただ単に速かったり遅かったりでは駄目です。あくまで速度差が重要です。

そして、

到着世界の光速度が出発世界のそれよりも遅ければ過去に移動
(相対的に出発世界の光速度が速い)

到着世界の光速度が出発世界のそれよりも速ければ未来に移動
(相対的に出発世界の光速度が遅い)

また、

その速度差が大きければ大きいほど遠くの過去未来に移動

ということになります。

そんなわけで世界間の光速度の差を見極めるのが時間移動のポイントです。

ちなみにセントラルWTGは時差0で繋がるゲートなので過去未来を繋ぎません。
あくまで(本来の意味での)現在を繋ぐゲートがセントラルなのです。


・世界閉鎖

さらに速度を速めていくとさらに時差は広がります。
しかしながら時差が広がる、ということは到達に時間がかかる、ということです。
光速度が遅い場合は想像しやすいのですが速い場合だと少々考えにくいかと思われます。

[ 世界閉鎖 ]

光速度に差ができすぎるとリアルタイム(に近い状態)で通信するのは不可能です。
これがいわゆる世界閉鎖です。WTGはゲートとしての機能を失ってしまいます。
こうなると世界の光速度が変わらない限り、ずっと閉鎖されたままとなります。

逆に光速度が等しい場合、WTGは補完対象が無い状態なのでやはり機能を停止します。
似過ぎても違いすぎてもゲートは機能を失うというわけです。


・WTGの光(光速度モデル編)

WTGの光は【チェレンコフ光】らしいです。
これは光速を超えた粒子が放った光は青方に偏移するという現象のことです。
現実でも屈折を用いて光速を落としてやるとチェレンコフ光を見ることができます。

一時期、世界の謎掲示板でもいかに光を屈折させるかが話題になりました。
【スローガラス】と呼ばれる極度に屈折率の高い物質も登場しています。
どうやら情報子の濃度が関係しているようですが詳しくは熱力学モデルに譲ります。

ともあれ、光速度モデルでは光速が可変である、ということが前提です。
つまり光速の遅い世界から光速の速い世界を覗けばそういう粒子は見付かります。
(ちなみに自世界には自世界の光速度を超える粒子は存在しません)

つまりタキオン化したリューンから放たれた粒子はチェレンコフ光になります。
それが自分の世界に飛び込んできた証拠がWTGの青い光なのです。
ちなみにチェレンコフ光は過去に進むので青い光は未来からきた光、というわけです。

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