≪量子力学モデル≫

・ミクロの螺旋
・ボーアモデルとプランク定数

・「あやふや」さ
・「あやふや」さと物理法則

・世界が7つであるわけ
・セントラルワールドタイムゲート
・第6世界群

・WTGの光(量子力学モデル編)


・ミクロの螺旋

【量子力学】は【量子論】を用いて電子や原子核などに関わる事象についての理論です。
【量子】とは物理量(エネルギー)の最小単位のことで、それ以上小さな値を取ることはなく、
光のように粒と波の性質を兼ね備えたミクロの存在を考えるには不可欠な概念です。
そして7つ世界もまた粒子と波の性質を持っているのです。

ここで世界構造モデルは大きな転換を見せます。
量子力学はナノとかピコとかいうミクロの世界における力学です。
ゆえに量子力学モデルもミクロ的なモデルを考える必要があります。

すなわち、7つの螺旋はミクロであり、
それらが沢山集まって構成されているのが我々の世界である、と考えられるのです。
今までの太陽系クラスのモデルから考えると全く正反対の考え方です。

ここで強調しておきたいのは「世界間の距離はほぼ0」ということです。
あくまで電子や陽子の間には距離がありますので「ほぼ」ということになります。
世界は何光年も離れていないのです。あまりに近すぎて気が付かなかっただけなのです。

重力モデルによる螺旋構造では世界間の距離という概念が大きなネックになっていました。
しかしながらこのミクロの螺旋を考える事によってそれを考えなくてよいことになります。


・ボーアモデルとプランク定数

量子力学モデルでは原子モデルが雛形になります。
ハンタローモデルに拠れば、原子は原子核と、その周りを回っている電子から構成されます。
これを世界構造に当てはめると、原子核=風の中心、電子=世界となります。

この世界を司る粒子こそが【情報子】と呼ばれるものです。
電子と同様に、情報子は風の中心の周囲をバラ型の螺旋を描きつつ周回します。
恐ろしいことに、スケールが異なるだけで世界の動き自体は特に変わらないのです。

さらにこのモデルを量子論的に考察したものとしてボーアの原子モデルがあります。
このモデルの重要な部分は電子のエネルギーはとびとびの7つの値を持ち、
そのエネルギーが変化する度に光を出したり、受け取ったりするとのことです。

電子は量子の整数倍のエネルギーしか持ちません。
量子を【プランク定数】(hで表される)で表すと、電子のエネルギーは決して0hにはならず、
逆に8h以上のエネルギーを持つと電子は軌道から飛び出してしまうようです。
すなわち、エネルギーに応じて1h,2h,3h,4h,5h,6h,7hの軌道です。
実際は電子は波なので振動数υ(ニュー)を掛け合わす必要がありますがここでは省きます。

[ 7つの軌道 ]


・「あやふや」さ

量子力学には【不確定性原理】という法則があります。
ミクロな対象を観測した場合、位置が確定すれば速度が不確定になり、
速度が確定すれば逆に位置が不確定になるという大変ややこしい事態が起こります。

この「あやふや」さは観測する対象の持つエネルギーが少ない程大きくなります。
つまり情報子のエネルギーが低ければ低いほど物理領域のどこにあるのかわからなくなったり、
逆に移動速度に関しても不確定になってしまいます。

位置が不確定である、ということは言い換えると、
その範囲ならばどこにあってもおかしくない、ということになります。
同じように速度に関しても、いづれの速度もとりうるということがいえます。
ここに不確定原理の妙があるわけです。

[ 不確定モデル ]


・「あやふや」さと物理法則

「あやふや」さと情報との関係についてもう少し考えます。
すなわち情報エネルギーが高ければ高いほどその情報子は位置が確定します。
つまり限られた範囲での物理法則が適用されることになります。
逆に情報エネルギーの低い情報子は広い範囲の物理法則が適用されます。

[ 世界の存在範囲 ]

第3世界が緩やかな物理法則下にあるのはこういった理由からだといえます。
逆に物理法則的に融通の効き難い世界は情報エネルギーの高い世界だといえるでしょう。

また、玖珂光太郎や速水厚志などが物理法則に囚われない振る舞いをすることができるのも
彼らを構成する情報子が広い範囲の物理領域に存在できるためであると考えられます。
こういった人物はありとあらゆる物事を受け入れる事ができます。

この方法を用いて世界を移動することもできます。
Tagami、玖珂晋太郎、クーラベルカルドなど、彼らもまた、物理領域の広範囲に存在しうるようです。


・世界が7つであるわけ

電子モデルの7つの軌道はいうなれば速度域の差です。
逆に物理域の差は世界子の回転角度ですからパターンは無限大であると言えます。
それではなぜ物理域でも7つに分けられることができたのでしょう。

おそらく、物理域において世界はかなり散らばった軌道をとっているはずです。
しかしながら「あやふやさ」において幅のある軌道範囲を考えることができるので、
あやふやさが大きな軌道ほど多くの軌道と接触(クロス)できることになります。
中にはほとんどの物理域をカバーできる世界もあることでしょう。

しかしワールドクロスの条件として軌道の接触と速度(=エネルギー)が等しいことが
条件なのは前述の通りです。速度域が異なれば同一世界にはなれないのです。
故に速度域の差が7つであることから「世界は7つ」なのです。

あともう一つの考え方としては、情報エネルギーの格差がなくなり、
各世界の軌道が最も安定したときに世界の存在範囲が1/7であるというものです。
複雑な計算とデータが必要なので確証は得られていませんが、この予測が正しければ
「6では少なく8では多い」という証言にも頷けます。


・セントラルワールドタイムゲート

ここまでくればセントラルのシステムに気付いた方もおられるかと思います。

セントラルを構成する情報子は「全ての物理域に存在しうる状態」にあります。
つまり極端に情報エネルギーがない状態、おそらくは0なのでしょう。
エネルギーが0の物質(粒子)を観測するすべはありません。

これならば正真正銘の時差0で世界間を移動することができます。
「ほぼ0で移動」というのは情報エネルギーのやりとりに要する時間かと思われます。
セントラルによる物理移動を行うにはまず風の中心に落っこちる必要があります。
そこからまた通常の状態に戻る必要があるのでそこにタイムラグが生じます。


・第6世界群

逆に情報エネルギーの極端に多い場合を考えます。
エネルギーが高いと情報子の軌道は確定します。故にあまりクロスできません。
そこで、狭い物理領域の中でひとつの世界を形成することになります。

そんな情報子が多いのが第6物理域です。
つまり第6世界群はワールドクロスができないために拡散した世界だといえます。

ただし、式神や絢爛の世界はかなり物理領域が広くなっています。
これはヤオトの影響や阿の魔術により情報エネルギーが流出したせいと考えられます。


・WTGの光(量子力学モデル編)

電子は軌道を変化するときに光をやりとりします。
光がぶつかるとより高いエネルギーの軌道へと跳躍し、
逆に低いエネルギーの軌道に移るときには余剰エネルギーを光に変えて放出します。

これがWTGの光の正体で、余剰エネルギーが小さいときは赤い、大きいときは青い
(最も大きいときは紫の)光を放出することになります。
ちなみに1光子あたりのエネルギーが高い光は青く、低い光は赤くなります。

[ 簡単なボーアモデル ]

 というわけでより大きなエネルギーの軌道からより小さなエネルギーの軌道へ
情報子が跳躍すればWTGの青い光が観測されるということです(具体的には5hほど)。

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